こんにちは,Hiroです.今回は、
- 研究室とは何なのか
- 研究室に配属されたら何をするのか
について解説します.
この記事を書いているのはこんな人

・院卒化学系エンジニア
・2021年3月に大学院を卒業
・院生時代に国際学術論文1st1本
では,早速行ってみましょう!
研究室とは?
研究室とは大学教員と学生が所属し、共に研究を行う部署のようなものです。
図で示すとこのようなイメージです。
つまり、大学の中の学科ごとに複数の研究室が所属しているということです。
研究室の構成メンバー
研究室は基本的に
- 教授
- 准教授
- 助教
- 大学院生(博士課程学生、修士課程学生)
- 学部4年生(3年生がいる場合も)
によって構成されます。(博士課程、修士課程の違いが知りたい方は以下の記事の「大学院には何年通うのか」を読んでみてください大学院って何?入試は?何年通うの?何するの?学費は?_現役院生が解説)
ただし、准教授以上から研究室を持つことができるので、教授がいない研究室もあります。
また大学によっては大学院に進学する学生が少ないため、大学院生がほとんどいない研究室も存在します。
僕は国立大学に通っていたので国立大学しかわかりませんが、教員1人につき各学年学生が3~4人ぐらい所属していました。
ちなみに僕が所属していた研究室は
- 准教授:2人
- 大学院生:15人(博士課程3人、修士課程12人)
- 学部生:5人(4年生のみ)
このように准教授のみで2人いる研究室もあります。研究室の構成は多岐にわたります。
研究室にいつから配属されるのか
研究室に配属されるタイミングは学部によって異なります。
つまり同じ大学でも学部によって配属されるタイミングは異なります。
一般的に配属されるのは学部3年生の後期か4年生の前期からが多いです。
研究室にどのように配属が決定するのか
配属において最も大切なのは大学の成績です。
多くの大学ではGPAという制度を導入しています。GPAは高校の評定と同じようなものです。
例えば定期テストにおいて
- 90点以上:4ポイント
- 80~89点:3ポイント
- 70~79点:2ポイント
- 60~69点:1ポイント
- 59点以下:0ポイント
のようにテストの点ごとにポイントが決まっていて、それの平均値がGPAです。
このGPAが研究室配属において重要な鍵を握ります。
基本的に配属の決定方法は2種類です。
- GPA
- 話し合い
GPAで決まる場合は単純です。大学に配属希望を出し、そして大学側がGPA順に学生を振り分けます。
ややこしいのが「話し合い」という場合です。正直に言って、同じ学科の研究室でも人気/不人気の研究室は顕著に分かれます。
なので「話し合いで決めておいてね」と言われても、話がまとまるわけもありません。
ですので結局希望が被った学生で成績表を持ち寄って、GPA順で決めることになります。
このように研究室配属は基本的に大学の成績(GPA)で決まります。行きたい研究室に行くために、しっかりと勉強しておきましょう。
研究室配属で最も大切なのはGPA。話し合いで決まる場合も結局GPAで決まる
どのように研究室を選べば良いのか
研究室を決める上で考慮すべきは、以下の3つです。
- 研究費
- コアタイム
- 学生からの評判
これらについてはこの記事で詳細は解説しているので気になる人は読んでみてください。
研究室には何があるのか
研究室には
- 教員部屋
- 学生部屋
- 実験部屋
があります。研究室と言っても1部屋だけがあるのではなくて、1つの研究室は複数の部屋を保有しています。
基本的に配属された後は学生部屋にデスクが与えられて、そこに通うことになります。
そして実験系の研究室の場合は研究室の実験部屋で実験を行います。
ちなみに学生部屋にはデスク以外に、
- テレビ
- 炊飯器
- レンジ
等色々と学生がおいている事が多いです。僕の研究室だとコーヒーメーカーも置いてました。
大学院生になると研究室で過ごす時間が増えてくるので、様々な備品が置かれるようになります。
研究室では何をするのか
研究室に配属されたら当たり前ですが、「研究活動」を行います。
具体的に「研究活動」とは以下の3つです。
- 実験
- 報告書作成
- 学会
それぞれについて解説します。
実験
僕自身が化学専攻だったのでThe実験って感じのことをしていたのですが、どの専攻に行ってもこの「実験」という部分はあると思います。
例えば
- 情報だと「プログラミング作成」
- 建築だと「モデル物の作成」
等色々あると思います。
つまりここで言う「実験」とは、薬品と薬品を混ぜることだけでなく実際に手を動かして研究を進めるために必要なことです。
この記事では、化学系の研究の具体的な流れを紹介します。
1. 文献調査
大学院における研究の実験方法にはマニュアルは存在しません。
なぜなら、誰もやったことのないことをするのが研究だからです。誰もどの実験方法が正しいのかなんて知らないです。
なので,自分で実験方法を考えなければなりません。
そんな時に必須なのが文献調査です。インターネットを用いて過去の参考になる文献を探して実験方法を模索します。
文献は非常に多く,また英語で書かれているので特に研究開始当初は苦労します。

2. 実験
文献調査が終わって,実験方法が決まったらいよいよ実験開始です。試料を調整し,それを何千万円もするような装置で測定します。
そして,そこで得られたデータを解析していくという流れが化学,生物系では一般的です。
そして,もし解析した結果が思い描いたデータでなければ,再度文献を探し,失敗原因を考えて実験方法を改良し,実験を行います。
ちなみに研究室で行う「実験」と学部の授業や高校で行っていた「実験」は全然違います。
もしその辺が気になる人はこの記事を読んでみてください。
報告書作成
所属する研究室によりますが,1週間もしくは2週間に1回研究報告会があるので,それに向けた報告書の作成を実験と並行して行います。
報告書では文章だけでなく,測定データのスペクトル,分子構造式,実験装置の概略等,図や表を多く作成しなければいけません。
なので,報告会前はみんなで朝まで資料作成ということが頻発してました.
これだけ頻繁に資料を作製していると,officeやライティングスキルが学部時代と比較して飛躍的に向上します。
これも大学院に行く大きなメリットだと思います.(その他の大学院に行くメリットはこちら大学院に行くメリット・デメリット|デメリットへの対応策も解説)
学会

ってなると思います。学会とは、ある分野の専門家たちが集まって自分の研究を発表しあい、意見交換をする会です。
学会に参加するためには自分の研究データをポスターやスライドにまとめなければいけません。
これが結構大変です。特に初めのころは発表資料を作ったことがないのでかなりの時間を要します。

資料を作成して終わりではありません。本番までに発表練習をしなければいけません。
これも最初のころは1週間とかかかっていた気がします。つまり学会の準備だけで半月程かかっていました。
もし、大学院に進学すれば、このように結構準備が大変な学会というイベントに定期的に参加する事になると思います。
たまに学会に向けてのデータ整理、資料作成が終わらなくて徹夜することもあると思います(笑)。


以上研究活動についてまとめますと以下のような流れになります。
- 過去の文献を参考にしながら実験する。
- 研究室内の報告会向けに資料を作成する。
- たまに学会に向けて資料を作成する。
研究活動についてはこの記事の抜粋です。より詳しく知りたい人は以下の記事を読んでみてください。
研究室に所属しないことは可能か?
ここまで聞いて

と考えた方もいるかもしれません。しかし、基本的に研究室配属は大学卒業に必須です。
大学院に進学せず4年生時に就活があるから、あまり研究をしたくないという人は、研究活動が活発でない研究室を希望しましょう。
サークルや部活で先輩に聞けば、そのような研究室を教えてくれると思います。
まとめ(研究室とは何か)
この記事をまとめると以下のようになります。
研究室とは
研究室とは大学教員と学生が所属し、共に研究を行う場所
研究室のメンバー
- 教授
- 准教授
- 助教
- 大学院生(博士課程学生、修士課程学生)
- 学部4年生(3年生がいる場合も)
配属のタイミング
一般的に配属されるのは学部3年生の後期か4年生の前期
どのように配属が決定するのか
研究室配属で最も大切なのはGPA。話し合いで決まる場合も結局GPAで決まる。
どのように研究室を決めればいいか
研究室では何をするのか
- 実験
- 報告書作成
- 学会
研究室に所属しないことは可能か
不可能。基本的に大学を卒業するためには研究室に所属して卒業研究をする必要がある。
研究室について疑問に思っていた人の助けになれば幸いです。
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